前科によるデメリット

1 前科とは

刑事実務的には、有罪の確定判決を受けた場合に、「前科」が付くと言われます。

「前科」と似た言葉として、前歴や逮捕歴がありますが、これら2つの言葉は、有罪の確定判決がない場合であっても使われるのに対し、「前科」は、有罪の確定判決を受けた場合に使用されます。

2 執行猶予が付いた場合でも「前科」が付くのか

ニュースなどを視聴していると、「懲役3年、執行猶予5年」などというフレーズを耳にすることがあります。

定められた猶予期間を何事もなく経過すると、刑の言い渡しの効力が失われ、刑務所に入る必要がなくなります。

ただし、執行猶予が付いた場合であっても、有罪の確定判決を受けている以上は、「前科」が付いてしまうことに注意が必要です。

また、略式裁判と呼ばれる簡易な裁判手続きによって、罰金または科料の略式命令を受けた場合にも「前科」は付いてしまいます。

3 前科が付くとどうなるのか

前科が付くと、社会生活上の様々な不利益を被るおそれがあります。

たとえば、一般のサラリーマンであれば会社からの懲戒処分を受けるおそれがありますし、医師や薬剤師などの一定の有資格者や公務員等の場合には欠格事由となったりします。

4 前科を付けないためには

前科を付けないために重要なことは、起訴されないことです。

逮捕の有無にかかわらず、捜査機関による捜査を受けている場合、前科を付けないためには不起訴処分を獲得することが非常に重要ですので、刑事事件に詳しい弁護士に相談するようにしてください。

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