非弁行為について

こんにちは。

弁護士の井川卓磨です。

弁護士業を行っていると必ず耳にする言葉として,非弁行為というものがあります。

この非弁行為という言葉,一般的にはあまり知られていないものであることと思います。

弁護士法第72条には,「弁護士又は弁護士法人でない者は,報酬を得る目的で訴訟事件,非訟事件及び審査請求,再調査の請求,再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事務に関して鑑定,代理,仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い,又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし,この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は,この限りではない」と規定されており,非弁行為を禁止しています。

最判昭和46年7月14日において,非弁行為禁止の趣旨として「弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、ひろく法律事務を行なうことをその職務とするものであつて、そのために弁護士法には厳格な資格要件が設けられ、かつ、その職務の誠実適正な遂行のため必要な規律に服すべきものとされるなど、諸般の措置が講ぜられているのであるが、世上には、このような資格もなく、なんらの規律にも服しない者が、みずからの利益のため、みだりに他人の法律事件に介入することを業とするような例もないではなく、これを放置するときは、当事者その他の関係人らの利益をそこね、法律生活の公正かつ円滑ないとなみを妨げ、ひいては法律秩序を害することになるので、同条は、かかる行為を禁圧するために設けられたものと考えられる」と説明されています。

弁護士が行う弁護士業務は,厳格な資格要件をクリアし,さらに様々な規律に服す中で,行われています。

そうでない者に,自らの利益のため業としてみだりに法律事務を取り扱わせることは当事者や関係者ひいては社会生活上の法律秩序を害するおそれがあるため,非弁行為として禁止する,というものです。

非弁行為は,司法書士,行政書士などのいわゆる士業との関係で問題となることがあります。

もちろん司法書士,行政書士等が行う活動の全てが非弁行為にあたるわけではありませんが,弁護士との業際問題として,取り上げられることも多い分野です。

非弁行為については,弁護士のみならず相談者にとっても重要な関心事となり得るものであり,さらに議論が行われる分野でもあると思います。

このブログでは,またの機会に非弁行為に関する議論等についてもお伝えさせていただきます。

本日のブログは以上です。

ゴールデンウイークですね。

おはようございます。

弁護士の井川卓磨です。

世間はゴールデンウイークに入りましたね,里帰りをして,古い付き合いの友人と食事に行ったり飲みに行ったりして,近況や思い出話で盛り上がる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ゴールデンウイークに限ったことではないですが,弁護士同士でも食事に行くことや飲みに行くことがあります。

特に,同期で共に司法修習を過ごした(司法試験合格後,法律家になるための研修期間のことを「司法修習」といいます)仲間とは長い付き合いになるということも少なくありません。

弁護士が食事会や飲み会でどのようなことを話しているのか,もしかしたら興味を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

基本的には,古い友人に会ったようなもので,自身の近況報告であったり,思い出話であったり,一般的な食事会や飲み会と異なるところはないと思います。

ただ,弁護士同士で食事などをした場合にやはり一番話題になることは,法律のことでしょう。

最近出た最新判例に関することや,法改正に関わること,法律解釈に関する議論など法律に関係する話が一番多く出てくるような気がしています。

また,ニュースなどで話題になっている事柄について,自身の法的見解を述べたり,議論を交わしたりすることもあります。

いずれにしても,話しているとやはり法律が好きで,人の役に立ちたいと思っている人間が集まっているのだと再確認し,彼らに負けないように研鑽を積もうと気が引き締まる思いがするのです。

もちろん皆さんが集まってお話をする時にも,お仕事の話がでてくることでしょう。

弁護士にとっては,それが法律のことであるという違いがあるだけかもしれません。

ゴールデンウイーク後半は皆さんどのようにお過ごしになられるのでしょうか。

今回のブログを読んで,旧友と会いたいなと思っていただけた方もいらっしゃるかもしれません。

飲みすぎるなど健康を損ねることのない程度に,楽しんでいただければと思います。

それでは,今回のブログは以上になります。